■プロローグ

今回Nご夫妻による依頼は次のような内容でした。
昭和53年に建売住宅を購入し、今年で築27年。
その間に増改築を行い現在に至るのですが、
心配な事がありまして建替えの決断を下しました。
『心配な事・・・?』
Nご夫妻はこの物件購入直後、
販売元に地盤の沈下を訴えておられました。
その時は販売元の工務店さんに来ていただき補強してもらったそうです。
また、その後の増改築をしてもらったときに、ちょうど家の真ん中に
あった柱を抜いてしまい、また、屋根を降ろして3階(屋根裏部屋?)を造り、
非常にバランスが悪くなってしまっているように思うんです。
近年地震が多いこともあって、
今の家では安心してセカンドライフを暮らせない・・・と言うことでした。

私たちは、今回 このご依頼の物件(1981年6月以前 建築基準法改正前の物件)からの
建て替えということもあって、当時の建築も含めて検証していきたいと思います。
■住宅調書

まずプランニングをしていく上で、必要な情報をすべて入手します。
敷地面積 86.13㎡ 建ペイ率60% 容積率200% 南向き前面道路6m
第1種中高層住居専用地域
ご近所は現在同じような木造2階建ての住宅が建ち並び、
裏には5階建てのマンションが建っています。
そして2階の窓からは醍醐の山々が一望でき、『景色いいですね~』
と思わず・・・
これが今回のセカンドライフ住宅プロジェクトの
敷地条件です。

N夫妻からの要望は次の通りでした。
2階建て住宅で、1階にLDKプラスもう一部屋、2階に寝室、客間
洗面バスルームは1階に、トイレは各階1箇所づつ
そして何より明るい家にしたい♪・・・
その後N夫妻は、生活の動線計画に必要な事柄を私共が持参した
アンケートにそって熱く語ってくださいました。
■いよいよプランスタート
2階建てプランということで、プラン開始。
敷地面積86.13㎡で、前面道路が6mということで、建築面積MAXで51.678㎡(約15.6坪)
また、この近辺の建て方なんでしょう・・お互いが隣の家に順番に越境しているのです。
そんなこともあり、建物間口は2間半で決まりです。
N夫妻が日中過ごされるリビングにしっかりと光を取り入れられるプランにして、
しかも重量木骨の魅力を感じてもらえるような広い空間を取りたい。
そして、現在1216サイズのお風呂(在来)を一坪サイズにして、その横に
同じく一坪サイズの洗面脱衣室。システムキッチンは2550サイズを入れ
2階に上がるホームエレベーターを設置・・・・
さあ、条件は ほぼ揃ったのであとは描くだけです。
■プラン難航・・・
・・・・あれからこんなに作ってしまいました。実はかなり難航しています。というのも前回の内容でプランニングしていてどうしても譲れない広いリビングが取れない・・・また、立地条件から広いリビングが取れても『暗い』。これではさすがに「出来ました!」なんて持っていけません・・・。
いろいろ商品を見比べて小スペースでかつゆとりのある商品を持ってきても結果は同じことでした。
・・・ううう、私たちの力不足なのか。
でも、納得のいかない物はやはり持っていけない。
考えに考えた末苦肉の策で、1階にLDKともう一部屋を、LDKともう一部屋みたいな空間
ということで、持って行くことにしました。半分妥協も入ってのプラン・・・
N夫妻の判断は!・・・・・・つづく
■N夫妻の判断
ピンポーン『お待たせしました。建築屋まつばです。』
持って行きました。プラン。そこで今回のプランの説明をN夫妻は熱心に聞いてくださいました。
そして、その苦肉の策のもう一部屋スペースの説明に『なるほど!』。
『おお!気に入ってもらえたのかな♪?』
N夫妻はすごく納得したようにおっしゃいました。
『敷地が足りないんですね』
・・・・・・・あれ?
実はそうなんです。プランで頭を抱えていたのは2間半間口に奥行き6間の建物に1階部分に
突っ込んでくる『車』のスペースだったのです。
結局建築面積MAXは2階部分では可能なんですが、車の分1階は面積を減らさざるをえなかったのです。
やはりN夫妻の思惑とは、ずれたプランだったようです。(反省)
『やはりそうですね・・・また持ち帰って出直します。・・・』
『3階建てにしなくてはだめですかね~・・』N夫妻からの提案でした。
『え、3階建ての選択もありなんですか!』
早速持ち帰って『3階建て』も視野に入れ再プラン開始です。
今度は妥協なしでいかなければ!
■まもなくプラン完成・・・なのか!
あれから会社に持ち帰り、再検討!今度は3階建ても視野に入れてのプランニングとなりました。
今まで苦しんでいた部屋数が難なくクリア♪するではないですか!
『ううう、3階ってありがたい。』
しかもリビングを2階に置くことで光もたっぷり取り込めて動線計画も立てやすく、これなら
N夫妻も納得いくものが出来そうです。
今回は妥協も許されないので気合も入っています。
『よし、間取りはほぼこれで行こう!』
それから、隣家と窓同士『こんにちは』しないように窓の位置を決めて、
仕上げや法規に準じて高さを決め、ほぼプラン完成!
仕上げに、重量木骨の骨組み『SE構法』のチェックを依頼しました。
これで、このプランが成り立つかどうかを確認して、初めてお客様の所に持って行きます。
さあ、後は構造チェックが早く終わらないかと待つだけです。
■構造チェック完了
『重量木骨の家』では躯体となるSE構法の構造計算を全棟行います。
通常木造の場合、3階建ては構造計算をしなくてはならないと 法律で決められて
いますが、2階建ての場合、壁量の計算しかしません。SE構法では2階でも3階でも
構造計算を行います。しかも、在来木造3階建てで行われる構造計算は『ルート1』と
いう計算方法をとりますが、SE構法の場合、鉄骨などと同じ『ルート2』の計算を行います。
その為皆さんの家の安全率を確実に上げることが出来るのです。
構造チェックとプランが出来たので早速 N夫妻の元に持って行きました。
『いかがですか?』・・・実は今回、3階建てのプランのみをお持ちしました。
『・・・・そうですね。はい、これで行きましょう♪』 よかった~。。気に入ってもらえたようです^^
プランの内容は、また次回に・・・
■ 3D完成直前+構造計算完了

仕上げ素材や色を決定していくのに、3Dパースをお客様との打合せに使います。外観・内観ビジュアルデーターでの打合せ、イメージわかっていただけるでしょうか??
出ました、SE構法の構造計算書
これって、鉄骨の構造計算書より多くないですか!!

